そのダーツバーは、古びた汚い雑居ビルの四階に入っていた。
 およそ二か月ぶりに訪れた利一は、懐かしさを感じるよりも、そのいやらしさに圧倒された。
 完全な不良とも言い切れないような、中途半端な連中が集まっている。彼らは明らかに未成年であり、伊澤や利一のように制服の連中もいたが、店は黙認していた。
 オールバックに髪を固め、バーテンの衣装に身を包んだマスターは、彼らの先輩にあたる。裏ではいろいろヤバいことに手を出しているらしいと、もっぱらの噂であった。
「おお、リー、久しぶり!」
 中心にいる宍戸ししど令司れいじが利一に手を振った。それ以外の男たちも、口々に反応する。
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